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2020年11月26日

症例55 後頭部の痛みにお悩みの女性

症例


こんにちは。
今回は頭痛の症例をご紹介します。




目次



  1. 患者様について

  2. 西洋医学的見立て

  3. 東洋医学的見立て

  4. 治療

  5. 施術者の思い


 




患者様について





Y様52歳パート勤務(事務職)





主訴:風邪をひいて以降、後頭部〜頭頂部の頭痛が取れない。頭痛がきつい日には気分が悪くなり吐いてしまう。上肢や肩甲骨の間の背中もだるいことがある。











西洋医学的見立て





後頭部の痛みで疑われるものは以下の大まかにようなものがあります。
1)首が凝ることで起きる筋緊張性頭痛。2)後頭部の神経痛(第一頸椎と第二頸椎付近で神経が圧迫されたり、ストレス等で神経過敏になることで起きるいわゆる後頭神経痛)3)クモ膜下出血による頭痛など
このうち3)のクモ膜下出血は痛みがキツく通常生活は不可になり救急で運ばれるパターンなのでまず除外。
1)か2)になりますが、ただの肩こりから起きる筋緊張性頭痛の場合、重く鈍い痛みであることが多く、吐き気をもよおすほどつらい痛みがあることを考えると可能性は低い。
となると可能性としては1)2)のどちらかだけれども後頭神経痛の可能性が高いという判断となりました。









※上図のような箇所に痛みが出ます。場合によっては痛みが前頭部まで波及する場合も。







東洋医学的見立て





脈は浮いて引きつっている。少し丸みを帯びている。全体には細くて柔らかく弱めの脈。舌は淡く暗い色。
風邪の後から症状が出ていることから、風や寒の邪が背中〜首に入った状態が抜けずに続いている。脈や舌の状態や元々体温が低いことから、体を温める力が弱い体質であることがわかりました。このような体質を陽虚体質といいます。陽虚体質の方は胃腸の消化吸収能力が低めな傾向があります。
脈の細さや弱さなどから胃腸の消化吸収が弱いせいで、血中の栄養が十分でない状態血虚)があり、肩がこりやすい傾向がある。
そして血虚の方は不眠になる傾向があります。
Y様は不眠傾向があり、心療内科で入眠剤を処方されている状態からもこのような陽虚と血虚が存在した状態だと読みました。







治療





第一診 抜けきっていない風邪を抜くための手首のツボに鍼を。
そして上記の陽虚と血虚に対しての対処として、下半身を温め、胃腸の働きを助けるために足の内側のくるぶしの少し上のツボを。それに、肩首が緩むツボ(肘の部分)を組み合わせたツボ選びにしてみました。その場で、頭痛が軽減しました。経過とツボの正否を見るため1週間とに数回来院していただくことにしました。
第二診(1週間後)
頭痛も胃もたれも前回より軽減した状態でした。
前回同様のツボで、施術。首肩が前回より緩んでいたので、3つ目の首肩を緩めるツボをなしにしました。その場で頭痛は消失。
第三診(1週間後)
2日前より頭痛が出て嘔吐してしまったとのこと。効果に少し安定感を欠いたため、ツボの組み合わせを見直し。風邪を抜くツボを減らし、胃腸を助けるツボに変更。それに首肩を緩めるツボ(肘にある)を足しました。その場で頭痛はなくなりました。
第四診(1週間後)頭痛も胃もたれも軽くなっていたので第三診と同じツボ。施術間隔を2週間ごとにしてみました。頭痛は消失。
第五診(2週間後)前日から頭痛が出たとのこと。2週間ほとんど頭痛が出なかったのは良いことだと判断。さらに作用が持続するよう考える必要がありました。二つ目のツボまでは初診同様。三つ目のツボを左足の甲のツボに変更。これは少しストレスを和らげたり、首にある冷えを少し抜く役割があります。頭痛消失。
第六診(2週間後)頭痛も胃もたれもない状態が維持されていました。第五診と同様のツボに鍼をして一旦施術からご卒業していただくことにしました。





Y様は体質的に、体が冷えやすく、外からの気温変化に影響を受けやすい体をされていました。今後日々を過ごしている中でまた体が冷えることはあるかもしれません。
「同様の症状が出る可能性はあるかもしれませんが、なるべく体が温まるようにしてひどくならないようにはしてあります。仮に症状が出ても軽い症状で落ち着くようであれば問題ないです。もし嘔吐してしまうような状態になるようならご連絡ください」とお伝えしました。
その後数カ月経ちますが、痛みが出たというご連絡はありません。





【主に使用したツボ】





復溜、足三里、外関、臨泣、曲池







施術者の思い





東洋医学の強みは、表れた症状を抑えるということだけでなく、症状が出る前にその手前にある原因に対処できるという点です。
一般に表れた症状に対して対処するのを対症療法といいます。これを東洋医学では標治(ひょうち)と呼んでいます。それに対して、病の根本に対して行う治療。本治(ほんち)と呼んでいます。
この「標」と「本」を同時に行なっていくことで、症状が軽減するだけでなく、なるべく症状が出にくい体になるよう働きかけていくことができます。
今回のY様の症例では、痛みを抑える治療をしながらも、今後痛みが出にくい治療を並行していくことが患者様の今後のお体にとって大切でした。
より多くの方が病になりにくい体になっていただくこと。当院はここを目標にしています。


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