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2021年02月19日

症例61 高血圧が気になる女性

症例


こんにちは。院長の小畑です。  今回は高血圧でお悩みだった女性患者様の症例をご紹介します。

目次



  1. 患者様について

  2. 西洋医学的みたて

  3. 東洋医学的みたて

  4. 治療

  5. 施術者の思い









患者様について





Y様 50代会社員





主訴:  高血圧、手の震え、のぼせ





 2ヶ月ほど前に血圧が180mmHg(収縮期血圧)ぐらいまで上がり、フラつきを感じた。内科にて降圧剤を処方され、今は以前より血圧が下がったが、2ヶ月ほど経った今も朝は150mmHgくらいまで上がっていることも多い。日中から夜にかけて下がっていく傾向がある。





1年前にも同様に血圧が上がり、手の震えを伴っていた時があった。 





以前より腎臓が弱い傾向があり、今回の高血圧の際も血液検査でクレアチニン値が高く出ており、腎臓のお薬を処方されている。 








西洋医学的みたて





高血圧自体は心臓からの血液拍出量、血管の太さ、血管壁の弾力性によって決まります。





 ●血液の量が多くなること(A)●末梢の血管が収縮すること(B)●血管が硬く細くなること(C) 以上のような事が血圧が上がる要因になります。さらに詳しく日常の中に原因を探ると、  





塩分の摂りすぎ、アルコールの摂りすぎなどは上記(A)に 





ストレス、肥満、睡眠不足、強い負荷の運動、気温の急変、は上記(B)に   





血管にコレステロールなどのカスが溜まって固まることによる動脈硬化運動不足、高血糖などは上記(C)につながっていきます。





 Y様は医師の前や、病院で血圧を測ると血圧が高く出る傾向があることからストレスや心理的な要因で血圧が上がりやすい傾向がありました。 





ですので、自律神経の高ぶりと高血圧が関連している可能性があると感じました。





手の震えは不安になった時に起こりやすいです。つまり、不安などが要因となって、自律神経(交感神経)が高ぶる。その結果起きるのが震えですので、その点でも自律神経(交感神経の高ぶり)との関わりが疑われました。 





ご本人は腎臓が悪いことと血圧上昇との関わりを気にしておられました。しかし、必ずしもクレアチニン値が高い事が高血圧と直接的につながるわけではありません気にする事が不安をあおり、不安から自律神経に緊張を生む。という流れを生んでいるかもしれないという仮説を立てました。 





その他、ご両親が高血圧傾向であることもあり、ベースに遺伝による本態性高血圧もあるかもしれないということを頭に入れていました。  







東洋医学的みたて





まず、Y様の問診情報を整理します。





冷えに関わる症状





足の冷え                         軟便になりやすい                     頭痛                           頻尿ぎみ





熱に関わる症状





のぼせ                          頭痛                           喉が渇きやすい





その他の症状





動悸がおきる時がある                   喉の詰まりを感じる時がある                目の充血                         ドライアイ                                     ふるえや動悸が起きやすいことから、心配や不安が強い傾向





脈は細い。





舌は白く黄色い苔が乗っていて、舌体に割れ目が入っており、縁から先がやや紅い、全体にややうっすら青みがかっている。





その他脈診の情報あり。





冷えと熱の症状が混ざっている事、脈からは弱っている部分が見えること、舌の青さから血流の悪さが推測されること、割れ目がある事からは体自体の体力が弱めなこと、などが見えました。





熱がこもって血圧が上がるのは、肝臓や心臓に熱を持ち、自律神経がたかぶって起きると考えます。





冷えて血圧が上がるのは血管が寒さでひきつって血管にかかる圧力が増すことや、胃腸の働きが悪く脳にきちんと栄養を送れない事から自律神経の働きを乱してしまうパターンです。





この段階では熱と冷え両方の要素があるなと思いました。





不安や動悸が起きやすいことは東洋医学的には心(心臓)の機能が弱い方に起きやすいです。





血圧が上がる要因はたくさんありますが、Yさまの場合、「西洋医学的みたて」の通り、血圧が上がるタイミングや震えなどが同時に現れているところをみると心理的な要因が強いとみました。





また年齢的には50代後半、のぼせを伴うところをみると少し、ホルモンバランスの乱れ(遅めの更年期症状)があり、自律神経の乱れにも影響している可能性が考えられました。





内臓的にはホルモンバランス不安などの心理バランスを整える際、腎、肝、心あたりの内臓の調子を整えるとよいと考えます。





自律神経の不安定な人は鍼の刺激に敏感に反応する傾向があるので、上記様々な目的を少数のツボに込める必要がありました。







治療





施術計画としては、血圧が安定して下がる傾向が見えるまで3回〜4回程度を1週間ごとの通院。





改善する傾向が見え始めたら少しずつ施術間隔を空けていくという流れで計画を立てました。





症状の経過と原因を考えれば、それほど長い期間の施術は必要ない可能性が高いと判断してY様にご提案いたしました。





施術スタート。





一診目





肝、心にこもる熱を覚まし、自律神経がたかぶることがY様の血圧を下げるとみました。





ただ、冷えの要素もあるかもしれないと、少し下腹部を温めるツボにも鍼をすることにしました。





熱 :  冷え=2 :  1のバランスとみて、ツボの組み合わせを考えました。





体の熱を冷まし、潤いを与える足のツボ。(然谷)





血圧を下げる肘のツボ。(曲池)





そして下腹部から胃腸までを温めてくれるかかと近くのツボ。(水泉)





施療後、少し体がだるく感じるとのことでした。施術による疲れかもしれないので一旦家でゆっくりしてもらうようお伝えして施術を終了。





二診目(1週間後)





血圧が朝に高い傾向がありましたが、一診後は朝でも血圧が130台程度で、日によっては120台の時もあったとのこと。





しかし、施術当日と次の日は体にダルさがあり、次の日の朝だけ血圧が140台だったとのことでした。





そして、のぼせや食後に動悸が出ていたのも出ないようになったとのことでした。





一診目は疲れが少々術後に出たのが気になったので、全体に熱がこもった兆候が強いのかもしれないとみて、体の熱を冷まし、潤いを与える治療に専念。





右足のツボ(然谷)と右肘のツボ(曲池)の2箇所にツボを減らしました。





そうすると術後のダルさが出ず、体が軽くなったとのことでした。





三診目(1週間後)





血圧は朝でも130台をキープ。





のぼせも減り、震えはまったく感じない。食後の動悸を感じることが一度だけあった。ツボはニ診目と同じ、





四診目(12日後)





朝の血圧が平均120台/80後半〜90前半、のぼせほぼなし。食後の動悸は全くなし。





ツボは三診目と同じ。





五診目(17日後)





朝の血圧は平均120台で安定。その他異常なし。





足のツボ(右然谷)と右肘のツボ(曲池)を使うと少し術後にダルさが出たので、施術を重ねるうちに体が動きやすくなったとみて、返し鍼をして、一本だけ鍼を打った状態に戻した。





このように施術を重ねて体が良い状態になるとより少ない鍼でも体が正常になるようになります。





六診目(3週間後)





調子良く、血圧は107〜130mmHg/70〜80mmHgで完全に正常値。





降圧剤も減らす方向で内科医の先生も進めてくれているとのこと。





右然谷に鍼を打ち、一旦卒業。





あとは体の調子を見ながら、不調があればその都度治療するというスタイルに変更することにしました。







施術者の思い





高血圧というのは要因が無数にあり、全ての高血圧をスムーズに下げられるわけではないのですが、今回のY様のように自律神経がらみの原因である場合は比較的有効に下げられるように思います。





その他、日常の生活習慣に不養生などがある場合には、食習慣を変えたり、運動習慣をつけたりと、大きく生活習慣を変える必要があるケースもあります。ここが非常に難しい。





生活習慣を変えていただくということは、よほどご本人に切迫した思いがなければなかなかできないことだからです。





ですから、高血圧の治療というのは簡単ではありません。





その他、血管内病変やその他の臓器の病気、代謝疾患がらみになってくると複雑になり、鍼灸治療だけではなかなか下がりにくい場合もあります。





血圧に関する鍼灸治療は、基本的には内科での服薬治療と並行していただく方が良いです。





今回のY様のように、薬を飲んでいるのになかなか血圧が下がらないケースの場合に、併用すると鍼灸治療は有用に働いてくれることがあります。





お困りの際は当院にご相談ください。


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