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2022年01月14日

症例76 ふらつきとコロナうつにお困りだった女性

症例


こんにちは。





院長の小畑です。





今回は、コロナ禍でふらつきにお悩みだった症例です。




目次



  1. 患者様について

  2. 治療回数は?

  3. 治療頻度は?

  4. 鍼の本数は?

  5. 使ったツボの場所は?

  6. 回復の経過は?

  7. Aさんのいう「ふらつき」とは?

  8. 東洋医学的見立て

  9. 術者の思い


 




患者様ついて





A様





71歳・女性





主訴:1年前からのふらつき





もともとカーブスという女性向けの軽いサーキット形式のトレーニングをするジムのような場所に通っておられたAさんですが、コロナウイルスが流行りだしてから、自粛ムードになり、通うのをやめられました。





その後、ふらつきが目立つようになり、なんだかしんどくなって何もやる気がなくなり、食欲も落ちて自宅から出ることさえできなくなってしまったそうです。





コロナによる自粛が始まって1年ほど経ち、最近は家の中では少しは動けるようになり、食欲も出てきつつあるとのことでした。











治療回数は?





完全復活まで8回ほどかかりました。







治療頻度は?





最初の4回は週に一度





5~7回目は2週間に一度。





8回目は3週間に一度。





というペースで治療していきました。







鍼の本数は?





1~5回目は3本。





6~7回目は2本。





8回目は1本。





でした。







使ったツボの場所は?





すべて左足の周囲のツボです。





内側くるぶしの近くの1か所と足の甲にある2か所のツボを使いました。







回復の経過は?





初診後





3日ほど体が軽く4日目からは少し体が重くなり少し動くのがしんどくなってきた。ふらつきは初診時ほどではない。





二~五診目





調子は良くなってきた。外出もできる。やや下肢がだるく、頭頂部が少しもやっとする。





六診目





ふらつきがきつくなり、力が入らない、体がピリピリする。





七診目





術後3日ほど調子よく、4日目からすこししんどくなってきた。





八診目以降





調子が良く、気分もよい。ふらつきもないし頭痛もない。





状態を改善し、安定するまでに 七~八回の治療を要しました。





その間回復の兆しが見えながらも、状態はアップダウンしながら回復に向かっていきました。







Aさんのいう「ふらつき」とは?





「ふらつき」という症状は患者さんによってかなり内容に差があります。私とAさんの会話は以下のようなものでした。





Aさん「なんとなくふらふらとして力が入らないんです。」





小畑「目の前がまわったり、ゆれたりする感覚はありますか?」





Aさん「それはあまりありません。」





小畑「頭の位置をかえることでふらふらしたりしますか?」





Aさん「それはありません。歩いているとなんとなく力が入らなくて浮いているようでふらふらとした感覚なんです。内科でそれを訴えると先生が五苓散やめまい止めのお薬を出してくださっているんですが、なかなかおさまらないんです。」





Aさんが訴えている症状は、頭の位置が動くことで目が回ったり、目の前がふらふら揺れるというタイプのものではありませんでした。





このことから三半規管系のめまいからくるものではないという推測がたちました。





「体がなんとなくしっかりしない」





「力が入らない」





という訴えをされているのですが、コロナ禍で無気力・倦怠感・食欲不振などの症状がみられていたことから、自宅にこもるようになり、意欲低下などが起きていわゆる「コロナうつ」の状態になられていた背景があるのではないかという推測ができました。





そうなるとAさんの言う「ふらつき」というのは三半規管の平衡感覚にかかわるものではなく、「手足に力が入らない」いわゆる四肢無力という症状から体をしっかり支えられないこと状態かもしれないと読みました。





そのような状態をAさんは「ふらつく」と表現されているのかもしれないと思ったのです。





そうすると内科で処方されていた五苓散やめまい止めのお薬は三半規管に作用することを狙ったものですので、効かないこととのつじつまが合います。





人の表現というのはその人によってかなり異なります。





言葉の表面ばかりにとらわれると誤診しがちです。





私たちはその人の表現の「真意」をとらえなければなりません。





それをうまく読むようすべての感覚と読む力を研ぎ澄ますよう心掛けています。







東洋医学的見立て





※この項目はやや専門的な内容になります。興味のある方だけお読みください。





ふらつき、四肢無力、意欲低下、食欲不振、眠りが浅い





脈:右内側に緩く、左内側に細め





脈状診、内外六合脈診、人迎気口脈診、気口九道、難経六部定位脈診などから主に判断。





舌: 暗、白苔





心脾気血両虚が標





脾腎陽虚、腎精不足がベースにある。





コロナで自粛生活が続く中で、悶々と頭の中でなにか考えてしまうことが多くなった。





それが気持ちを内向きにしたことと、考えすぎることのなかで腎精を消耗した。という流れが推測できた。





治療としては、補気補血を目的としながらも、





腎精を補い、脾気を上げ、経脈の疎通も考える





ふらつきが四肢無力からくるのか、





気血、腎精の不足による胆経の栄養不全で三半規管の機能を乱すことからくるのかはっきりしなかったため、まずは





健脾・補気補血





補腎精と胆経の疎通





の両面から行うことに。





配穴は初診時は





左水泉(補腎精、右帰丸を考える、補腎陽と健脾益気)、





左臨泣(胆経疎通と脾臓、膵臓の働きを上げることで補血および行気)、





左衝陽(胃経実をとり脾気を上げる)





という配穴でスタート。





三診~五診目まで経過改善。





元気が出てふらつきも減り、外出もできるようになる。





五診目の後から再度ふらつき、四肢無力、不安感などが出てきた。





六診目で配穴を減らす。





L水泉、L衝陽に





調子が上向き始めるも日によってふらつきや倦怠感・不安感がでるとのこと。





七診目でさらに配穴を減らした。





L水泉のみに。





七診目以降調子が良くなり、ふらつきもなく、食欲不振、倦怠感、四肢無力もなし。外出も可能で家事も問題なくこなせるようになったため八診目で一旦継続治療は卒業し、体調をみてメンテにきていただくスタイルに切り替えた。





その後数か月に一度メンテナンスでご来院されている。







術者の思い





自宅にすごもりするというのは、気分を本当に下げてしまい、自律神経の働きを乱しやすいです。





「コロナうつ」という言葉に典型的に当てはまるAさんでした。





人は活動してこそ健康的に生きられる。





それをまざまざと感じさせられた症例でした。





元気を取り戻していただけて本当に良かったです。




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