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2022年07月27日

症例87 メニエル病によるめまい、吐き気、嘔吐に悩む女性(40代)

症例


こんにちは。





院長の小畑です。





今回はメニエル病と診断され、耳鼻科で薬をもらいながら治療をするもなかなかめまいと吐き気が治まりきらずお困りだった患者様の症例です。




目次



  1. 患者様について

  2. 治療にかかった回数は?

  3. 治療にかかった期間は?

  4. 治療頻度は?

  5. 回復の経過は?

  6. 東洋医学的な見解

  7. 治療者の思い


 




患者様について





A様





49歳・女性





職業:保育士





主訴:めまい、耳鳴り、吐き気、嘔吐、聴力低下





過去の既往歴:突発性難聴(左)





これまでの経緯





5年前に突発性難聴になり、耳鼻科でステロイド等の治療を受けたのち、聴力は回復したが、耳鳴りが残った。その時により耳鳴りがうるさいことがあるので、今も耳の中の血流を上げる薬(アデホス)や神経に栄養を与えるお薬(メチコバール)を耳鼻科で処方され、飲んでいる。





今回は10か月ほど前よりめまいがよく起きるようになった。





当初、耳鼻科で良性頭位性めまい症と診断され薬を処方され飲んでいた。









良性頭位性めまい症は耳石が半規管に入り込んでしまうことによって平衡感覚をつかさどる神経に刺激が入りめまいを起こしてしまうというものです。









↑良性頭位性めまい症の図





しかし、2か月ほど前からめまいの頻度とひどさがきつくなってきたため別の耳鼻科を受診。





するとメニエル病と診断され、めまい止めや吐き気止め、メニエル治療で使用されるイソバイド(利尿させ内耳のむくみを減らす薬)、アデホスを処方されているとのこと。聴力も同時に低下し、騒音や楽器の音などが耳に響きすぎる聴覚過敏の症状もある。





薬を飲み始めて1か月経った現在も、週に2回はきついめまい発作が起き、そのたびに吐き気がきつく仕事ができない状態になるとのこと。





※メニエル氏病・・・上の図の「内耳」部分の中に含まれるリンパ量が増えて内耳の中がパンパンになり、平衡感覚を感じる神経が刺激される結果めまいが起きるという病気。





その度に仕事を休んでいる状態を繰り返すわけにもいかないので、当院の噂を聞き、ご紹介にて当院に来院されました。











治療にかかった回数は?





一旦卒業というところまでに7回の治療を要しました。







治療にかかった期間は?





3か月ほど。







治療頻度は?





A様の場合は最初週に1回でスタートし、徐々に2週間にあけ、3週間にあけ、4週間まであけて状態が持続するようになった頃に一旦卒業といたしました。







回復の経過は?





当初、めまい、嘔吐以外に頸肩の痛み、腰痛も慢性的にお持ちだったA様。





1回目の施術後





めまいそのものは1週間の間に5~6回発作的に起きていて吐き気・嘔吐も伴う状態しましたが、まず長年続いていた肩こり、頸肩の痛み、腰痛が大きく軽減していました。





2回目の施術後





間隔1週間





1週間は小さなめまい発作は時折あるものの、比較的軽めでおさまるという状況でした。吐き気・嘔吐に至ることはないとのこと。





3回目の施術後





2週間の間隔





頸肩の痛みや腰痛がまた少し出ているようですが、以前ほどの痛みではないとのこと。





2週間のうちに、めまい発作が少し起きそうになったものの、めまい止めの薬を飲むと鎮まったとのこと。





4回目の施術後





2週間の間隔





2週間でめまいは一度もなし。左耳に騒音や大き目の音が反響したりする聴覚過敏の症状が残っているとのこと。





腰痛は以前より8割方少ない。頸肩はこっていて少し痛いものの上を向いたりは可能。





5回目の施術後





3週間の間隔





めまい発作は一度もなし。耳鼻科で聴力検査をしたところ聴力が劇的に回復。たまに仕事がたてこみ忙しいときなどにめまいの予兆が出そうなときはあるが、実際にめまいまでは至らない。





聴覚過敏の症状は以前より少し程度が下がり、仕事中の楽器の音などに耐えられるようになりつつあるとのこと。





6回目の施術後





4週間の間隔





1か月の間にかるいめまいが出そうになったことはあるものの、めまい止めを飲むと軽度で治まった。その後は特にめまいなし。





聴覚過敏の症状もほぼなし。音楽も普通に聴けるようになった。





頸や腰の痛みもほとんどない。





7回目の施術後





調子がかなり保たれるようになり、全体の体調が良くなったので一旦定期的な治療としては卒業して、調子が崩れそうな予兆がある段階でメンテナンスに来てもらうことにしました。







東洋医学的な見解





※この部分は専門的な内容が入りますので興味のある方のみお読みください。





※ここでは、中華伝承医学の内容を中医学の言葉に翻訳して書いています。すべてをここで表現しようとすると難しいのでこのような方法をとっています。





めまいが起きる機序として、メニエルや良性頭位性めまいなど内耳の三半規管に問題が起きている場合、最終的に体の体側を通る少陽経に気滞が起きているのがベースになります。(耳があるのは体側の少陽経の上です。)





最終的に少陽経の気滞が起きるルートがいくつもあるのですが、





A様の場合は





腎精不足→肝心血虚→少陽気滞





というルートをたどっていると読みました。





腎精不足にも腎陽虚からくるものと、腎陰虚からくるものがあります。





Aさまの場合、更年期にさしかかっている年齢であることから当初、腎陰虚ベースの腎精不足とみて治療をしました。





(経穴は右然谷、右太衝)





頸肩の痛みや腰の痛みが各段に軽減いたしましたが、めまい発作がおさまらず、大きな発作がまだ起きている状況でしたので、腎の陽虚ベースに切り替えたところ、めまいが徐々に軽減し、頸肩や腰の痛みも保たれるという経過をたどりました。(経穴は左水泉、左太衝など)





結果的に腎の陰陽両虚(陰虚2:陽虚8)だったのではないかと思います。







治療者の思い





急性の内耳性めまいはメニエルであれ、良性頭位性めまい症であれ、適切な鍼灸治療を施せば、かなりの確率で症状軽減は可能です。





めまいが起きる方はなんらかの形で自律神経の働きが乱れてやすいことが多く、症状軽快した後もストレスや過労などがあると発症する可能性は秘めています。





症状軽快後も、お体のメンテナンスはあった方が良いので、めまいを起こした方にはその旨をお伝えするようにしています。





めまいでお困りの方の参考になれば幸いです。


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