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2022年10月29日

症例89 原因不明の腰痛にお困りの女性

症例


こんにちは。





院長の小畑です。





今回は原因不明の腰痛でお困りの女性患者様の症例です。




目次



  1. 患者様について

  2. 西洋医学的に診たみたて

  3. 原因がわからないとされる痛みの多くはコレが要因

  4. 何回の治療が必要?

  5. 鍼は何本?

  6. どこに鍼をするの?

  7. どんな過程を経て治ったの?

  8. どれくらいの頻度で治療すればいい?

  9. 東洋医学的な見立て

  10. 治療者の思い










患者様について





H 様・51歳





職業:主婦





痛みの経過について:





1年前から腰痛を感じ始め、整形外科に通院しシップや痛み止めを処方されるも治らないまま1年お困りという状況でした。





レントゲンやMRIを撮るも、原因となるような関節の病変が見つからずモヤモヤしておられる中でのご来院でした。







西洋医学的に診たみたて





腰椎4番の高さ。





後屈や前屈などの動作に関係なく、常に痛みを感じているという状況でした。通常、筋肉や関節が痛んでいればこれら何らかの動作で痛みが出るはずです。





でもH様の腰痛は何もしていなくても、動作をしても痛みが変わらず出ているという一般的には少し特殊な状況でした。





ただし、当院ではこのタイプの症状は珍しくなく、日常的に治療しております。







原因がわからないとされる痛みの多くはコレが要因





整形外科などでは、今回のH様のように画像所見で関節に変形があったり、椎間板に神経が圧迫されていたり・・・・などの所見がみられない場合、原因がよくわからないとされやすいです。





このような痛みにはひとつ見逃されている原因があります。





「神経の閾値の問題による痛み」です。





痛覚は軽い刺激では通常反応しません。ある一定の刺激以上の刺激を加えた時に痛覚が反応し始めます。





この神経が反応する刺激のラインを「閾値」と呼びます。





この閾値が必要以上に「下がってしまう」ことで、通常痛覚が反応しない程度の刺激でも、痛覚が反応するようになるケースがあります。





このような神経の痛みが腰の部分に出ると「腰が痛い」と認識されるのです。





この「閾値の問題」による痛みは腰痛に限ったことだけではありませんし、他の部位でも起こりうるものです。





もっと言えば痛みだけで起こるわけではありません。





温度覚や聴覚、視覚、味覚、触覚などでも起こることがあります。





このように「閾値の設定」に問題が起きるケースの多くは、自律神経の問題を伴っているケースが多いです。





ですから、このような痛みに対しては、自律神経の働きが整えることと痛みを鎮めることの両方を考えながら進める必要があります。







何回の治療が必要?





H様の治療は6回で痛みがない状態で安定するところまでもっていくことができました。







鍼は何本?





H様の場合、鍼に対して敏感なお体をされていたので、鍼は1本でした。







どこに鍼をするの?





H様の場合、初回は腕の内関というツボ、その後は脚の然谷、復溜などのツボに毎回1か所鍼をしました。







どんな過程を経て治ったの?





H様の場合は、常時どんな体位でも感じていた痛みがその場で軽減傾向がみられるようになりました。





※痛みの軽減の仕方には個人差があります。





治療ごとの痛みの変化は次の通りです。





初診の術後





はじめは術後腰痛が4日ほど軽減していてそこから徐々に痛みが出てくるという状況でした。そのかわりに頸肩にこわばりが見られたりするようになってきたので、使うツボを調整していきました。





2回目





腰痛は3回目のときに前屈したとき以外には痛みを感じない状態に。





3回目





頸も腰も痛みがないので治療頻度を少しあける。





4回目





腰痛はないけれども頸肩のこわばりが残るという状態。





5回目





間隔をあけているも腰痛は戻らず。頸肩に少しこわばりが出てきた。





6回目





腰痛も頸肩の張りも感じていないため、治療を一旦卒業とした。





H様の場合、症状改善が比較的早く、最初の3回までは1週間ごと、その後2週間、3週間、4週間と間隔を広げていきました。







どれくらいの頻度で治療すればいい?





(一般的には症状の強さによって最初の3~5回程度1週間ごとで治療することが多いです。症状軽減がみられてきたら治療間隔を空けていきます。※治療間隔の開け方は個々人の体調や回復具合をみながら進めるので個人差があります。これが一定の型とは限りませんので、あくまで参考としてください。)







東洋医学的な見立て





※ここからは少し専門的な内容ですので、ご興味あるかただけお読みください。





動作時に痛みの増減がないこと





掌や足に汗をかきやすいこと





少しのぼせを感じること





脈が弦脈、陰乗脈・陽乗脈、R尺位内側が沈弱脈、





舌がやや暗く、先が紅い





ことなどから更年期の陰虚による虚熱が少しあること。





汗のかきやすい位置から、精神的緊張が起きやすく、心の気虚(血虚)になりやすいこと、心の気虚が出ると緊張や不安を感じやすくなり手足に精神性の発汗がおきやすくなります。





脈が弦であることから、緊張・不安・ストレスなどによる気滞血瘀がある傾向があること。





ストレスがかかっている傾向が体に見られることを伝えると、1年ほど前から義母が亡くなり、義父の食事などの世話を毎日する必要が出てきた。家事をある程度完璧にこなさないと気がすまない性格で義父に食事を出すのも緊張しながら出しているとのこと。





心の血虚による緊張のしやすさ、





緊張による気滞血瘀、





を最初の数回はメインに考えていた。





初診は安神と気滞を取ることを考えて厥陰心包経の右内関を取った。





二診目時点で初診術後の痛みの軽減が持続しないことと、頸に痛みやこわばりが出てくることを考えるとベストな選択ではないと考えた。





そこで腎の陰虚と気滞血瘀を取ることを目的として、R然谷、R行間を選択。それでも頸のこわばりが取れないため、ややオーバードーゼ気味に作用している可能性を考えた。





そこで三診目以降は一穴での治療に再び変えた。





三診目四診目は右然谷、腎の陰を補うことで精が補われ、血も同時に補われ肝血が補されて気滞も取れるという流れが起きた。





五診目六診目は脈の現れ方や経穴の反応を見て右復溜にする中で、腰頸両方の症状が安定して鎮まる結果が得られた。







治療者の思い





当院には様々な検査や施術を受けた結果、原因不明といわれる痛みを訴える患者様が日々たくさんご来院されます。





その中の多くの患者さまがH様のようなしくみで痛みを感じておられる方が多いです。H様は痛みが長く続いているなかでは、早く痛みが減り始めた症例でした。





痛みが軽減しても、もっとずるずると長く痛みの増減を繰り返すケースもあります。その患者様の体の強さや体力によって、回復の程度はさまざまなので今回のようにスムーズに回復する症例ばかりではありませんが、原因不明な痛みのうち7割程度は改善させられています。





世の中にはきっともっとたくさんこのような痛みで苦しんでおられる方が埋もれていると思います。





そのような方々が一人でも減るよう私達としてもできることをしていきたいと思っています。




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